【被災者必見】台風・水害・地震という自然災害に遭ったら|住宅ローンと災害保険でやるべき5つのこと

台風や地震といった自然災害で大切なお住まいを失っても、住宅ローンの返済義務は原則として免除されません。

この厳しい現実を前に途方に暮れるかもしれませんが、公的支援や保険制度の活用、金融機関との返済交渉、そして「自然災害債務整理ガイドライン」といった、あなたの生活再建を支えるための具体的な対処法が存在します。

自然災害後も住宅ローンの返済義務は継続する事実

自然災害で大切なお住まいを失ったとしても、住宅ローンの返済義務は原則として免除されません。

この厳しい現実をまずは受け止めることが、生活再建に向けた第一歩となります。

この事実から目をそむけてしまうと、対応が遅れてしまいかねません。

家屋を失っても残る返済義務

住宅ローン契約は、土地や建物を担保にお金を借りる契約です。

そのため、災害によって担保である家屋が失われたとしても、金融機関からお金を借りたという事実そのものが消えるわけではありません。

つまり、返済義務は継続します。

あるアンケート調査では、主婦の約7割が「家屋の倒壊」に対して不安を感じているという結果が出ており、災害は誰にとっても他人事ではないのです。

この返済義務を前提として、次の行動を考える必要があります。

新たな住居費用とで発生する二重ローン問題

二重ローンとは、被災した家の住宅ローン返済を続けながら、新たな住居の家賃や新しく組むローンという二重の負担を抱えてしまう状態を指します。

仮住まいを見つけたり、家を再建したりするためには新たな費用が発生します。

「被災者生活再建支援法」に基づく公的支援金として最大で300万円を受け取れる制度がありますが、家屋の再建費用をすべて賄うのは難しいのが実情です。

この二重ローン問題を避けるため、後述する公的支援や保険制度、金融機関との交渉が極めて重要になります。

被災後に実行すべき5つのこと

自然災害に見舞われた際、将来への不安から何をすべきか分からなくなるものです。

しかし、このような時こそ、冷静に状況を把握し、然るべき手続きを順序立てて進めることが、生活再建への第一歩です。

被災後に取るべき行動は、大きく分けて5つあります。

これらの手続きを迅速に進めることで、経済的な基盤を確保し、生活再転に向けた道筋を描くことが可能になります。

1.被害状況の証拠写真撮影

後の公的支援の申請や保険金の請求を円滑に進めるためには、被害状況を客観的な証拠として記録しておくことが不可欠です。

スマートフォンやデジタルカメラで、被害の様子をできるだけ多く撮影してください。

家の外観を4方向から、浸水した場合は水深がわかるようにメジャーを当てた写真、損傷した箇所や家財など、細部にわたる記録が後の手続きで役立ちます。

写真はあらゆる手続きで「被害の程度」を証明する根拠となります。

写真はあらゆる手続きで「被害の程度」を証明する根拠となります。

集中豪雨
水害の自然災害は台風・線状降水帯によって被害がおきる

2.あらゆる手続きの基礎となる罹災証明書の申請

罹災証明書とは、災害によって受けた住家の被害程度を公的に証明する書類を指します。

お住まいの市区町村役場で申請し、職員による現地調査を経て発行されます。

この証明書がなければ、公的支援金の申請や税金の減免、保険金の請求手続きが進められないため、最優先で取得する必要があります。

罹災証明書は、被災後の生活再建に向けたすべての手続きの出発点となる重要な書類です。

大規模な自然災害でローンの返済が困難になったかたへ。「自然災害債務整理ガイドライン」をご利用ください。

大規模な自然災害でローンの返済が困難になった場合の「自然災害債務整理ガイドライン」

この制度は、自己破産などの法的手続きを避けつつ、金融機関との合意に基づき債務の減額や免除を目指す公的な仕組みです。

大規模な自然災害でローンの返済が困難になった方へ。

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3.加入する保険会社への迅速な連絡と保険金請求

公的支援だけでは再建費用をすべて賄うことは困難です。

加入している火災保険や地震保険の内容を確認し、速やかに保険会社へ連絡することが重要になります。

台風や豪雨による水害は火災保険の「水災補償」で、地震や津波による損害は「地震保険」で補償されます。

地震保険の保険金は、火災保険金額の30%から50%の範囲で設定され、建物は最大5,000万円までが上限です。

保険金を早期に受け取ることで、当面の生活費や修繕費用に充てることができ、経済的な不安を大きく軽減できます。

4.住宅ローンを借り入れている金融機関への返済相談

被災したからといって、住宅ローンの返済義務は免除されません。

しかし、何も言わずに返済を滞納するのではなく、まずは借り入れ先の金融機関に相談することが大切です。

多くの金融機関では、被災者向けに返済条件の見直しに応じています。

例えば、一定期間の元金返済の据え置きや、返済期間の延長など、負担を軽くする措置を講じることが可能です。

早めに相談することで、金融機関との信頼関係を保ちながら、無理のない返済計画を再構築できます。

5.被災者生活再建支援法に基づく公的支援金の申請

被災者生活再建支援法とは、自然災害により住居に著しい被害を受けた世帯に対し、国が支援金を支給する制度です。

この制度を活用することで、生活再建の資金的な助けを得られます。

住宅の被害程度と再建方法に応じて、最大で300万円の支援金が支給されます。

申請には罹災証明書が必要となるため、他の手続きと並行して進めることが、早期の生活再建につながります。

住宅ローン返済の負担を軽減する保険制度

公的支援だけでは、被災した住宅の再建費用をすべて賄うことは困難です。

そのため、万が一の事態に備えて各種保険制度を正しく理解し、ご自身の状況に合わせて活用することが生活再建の鍵となります。

これらの保険を組み合わせることで、自然災害のリスクに総合的に備え、住宅ローンの返済負担を軽減することが可能です。

台風や水害を補償する火災保険の水災補償

水災補償とは、火災保険に付帯できる特約の一つで、台風や豪雨による洪水、高潮、土砂崩れなどで建物や家財が受けた損害を補償するものです。

近年のゲリラ豪雨や大型台風の増加により、水災リスクは全国どこでも発生しうる状況です。

例えば、床上浸水や地盤面から45cmを超える浸水によって損害が生じた場合に保険金が支払われます。

ハザードマップを確認し、ご自宅の立地に応じた加入を検討することが大切です。

地震や津波による損害を補償する地震保険

地震保険は、地震・噴火またはこれらが原因となる津波による火災、損壊、埋没または流失といった損害を補償する、唯一の保険です。

地震が原因で発生した火災による損害は、通常の火災保険では補償されません。

補償額は火災保険の保険金額の30%から50%の範囲内で設定し、法律で上限(建物5,000万円、家財1,000万円)が定められています。

地震保険は単独で加入することはできず、必ず火災保険とセットで契約します。

地震保険と組み合わせる三井住友銀行の自然災害特約

三井住友銀行などが提供する自然災害特約は、地震保険だけではカバーしきれない住宅ローンの残債リスクに備えるための住宅ローン専用の特約を指します。

この特約は、住宅ローン金利に年0.5%程度を上乗せすることで、地震や津波で建物が全壊と認定された場合に、その時点でのローン残高の50%が免除される仕組みです。

上記のように地震保険と組み合わせることで、建物の損害とローン残高の両方に備え、二重ローンに陥るリスクを大幅に軽減できます。

保険金の上限と請求手続きにおける注意点

保険金は無制限に支払われるわけではなく、契約時に設定した保険金額が上限となる点を理解しておくことが重要です。

例えば、地震保険の上限額は建物5,000万円、家財1,000万円と法律で定められており、実際の損害額がこれを超えても上限までしか支払われません。

保険金の請求にあたっては、以下の点を押さえておきましょう。

スムーズに保険金を受け取るためには、被災後すぐに証拠を保全し、迅速に手続きを開始することが求められます。

返済が著しく困難な場合の最終的な選択肢

公的支援や金融機関との返済交渉を経てもなお返済が難しい場合、債務を整理するための選択肢が存在します。

中でも、被災者の生活再建を目的とした「自然災害債務整理ガイドライン」の活用が最も重要な選択肢です。

それぞれの方法には利点と欠点があるため、自身の状況を専門家と相談しながら慎重に検討する必要があります。

これらの選択肢は、いずれも今後の人生に大きな影響を及ぼす決定です。

一人で判断せず、まずは弁護士などの専門家が行う無料相談を利用して、最適な解決策を見つけ出すことが大切です。

自然災害債務整理ガイドラインによる債務の減免

自然災害債務整理ガイドラインとは、自然災害の影響で住宅ローンなどの返済が困難になった個人が、自己破産などの法的な手続きを経ずに、金融機関との合意に基づいて債務を減額または免除してもらう制度です。

被災者の生活再建を第一に考えた仕組みといえます。

この制度の大きな利点は、信用情報機関に事故情報として登録されず、その後のローン契約などへの影響を避けられることです。

さらに、手続きを支援する弁護士などの「登録支援専門家」への報酬は国が負担するため、原則無料で利用できます。

このガイドラインを利用することで、破産という選択を避けながら、経済的な再起を図る道筋を立てることが可能になります。

弁護士など専門家への無料相談と手続きの流れ

自然災害債務整理ガイドラインを利用する際は、法的な知識を持つ専門家の助言を受けながら、金融機関との交渉を適切に進めることが不可欠です。

そのため、被災者支援の一環として、各地の弁護士会などが無料相談窓口を設けています。

手続きは、まずガイドラインの利用を希望する本人が、ローンを借り入れている金融機関に申し出ることから始まります

その後、金融機関を通じて「登録支援専門家」の支援を依頼し、専門家と共に返済計画案を作成して金融機関の同意を目指すという流れで進みます。

一人で抱え込まず、まずは日本弁護士連合会や地域の弁護士会が提供する無料相談を利用し、専門家の力を借りることが解決への第一歩となります。

資産整理としての土地売却

ローン返済の原資を確保するために、被災した家屋が建っていた土地を売却し、その代金を返済に充てることも一つの選択肢です。

これにより、月々の返済負担をなくし、新たな生活設計を立て直すきっかけになります。

土地の価格は常に変動しており、売却を検討する際は、必ず3社以上の不動産会社(例:日本デルタ不動産、三井のリハウス、住友不動産販売、東急リバブルなど)に査定を依頼し、提示された査定額を比較検討することが重要です。

土地の価格は常に変動しており、売却を検討する際は、必ず3社以上の不動産会社に査定を依頼し、提示された査定額を比較検討することが重要です。

災害後の土地は、インフラの復旧状況や周辺環境の変化によって価格が大きく変動するケースがあります。

土地の売却は、あくまで資産を整理して負債を減らすための手段です。

家族の想いも考慮に入れ、他の選択肢とも比較した上で最終的な判断を下す必要があります。

自己破産がもたらす影響

自己破産とは、他のどの方法を用いても債務の返済が不可能な場合に、裁判所に申し立てて支払い不能であることを認めてもらい、税金などを除くほとんどの債務の支払い義務を免除してもらう最終的な法的手続きです。

自己破産をすると、信用情報機関に事故情報が約5年から10年間登録されます

この期間は、新たな住宅ローンや自動車ローンを組むこと、クレジットカードを作成すること、他人の保証人になることなどが原則としてできなくなります。

この手続きは、生活再建の最終手段ですが、社会生活への影響も大きいものです。

安易に決断するのではなく、必ず弁護士に相談し、その影響を正しく理解した上で進める必要があります。

よくある質問(FAQ)

住宅ローンが免除されたり、減額されたりすることはありますか?

自然災害で家を失った場合でも、住宅ローンの返済義務は原則として残ります。

しかし、「自然災害債務整理ガイドライン」という公的な救済制度を利用することで、金融機関との話し合いを通じて住宅ローン 減免の可能性があります。

この手続きは自己破産とは異なり、信用情報に影響が出にくい利点があり、弁護士など専門家への相談から始めることが推奨されます。

受け取った保険金は、住宅ローンの返済と家の再建、どちらを優先すべきですか?

受け取った保険金の使い道は、契約者が自由に決定できます。

まず、生活の再建費用に充てることが一般的です。

家の修繕や建て替え、仮住まいの費用などを優先しましょう。

その上で資金に余裕があれば、ローン残高の一部を繰り上げ返済し、将来の返済負担を軽くすることも有効な選択肢となります。

話題の「自然災害特約」とは、どのような制度ですか?

自然災害 特約は、一部の金融機関が 住宅ローン に付けている特別な契約です。

自然災害特約は、一部の金融機関が住宅ローンに付けている特別な契約です。

住宅ローンの金利を少し上乗せ(年0.5%程度)して支払うことで、地震や津波、噴火によって自宅が全壊と判断された場合に、その時点でのローン残高の50%が免除される仕組みです。

地震保険と組み合わせることで、二重ローンに陥るリスクを大きく減らすことができます。

被災後にすべき手続きがたくさんありますが、最優先すべきことは何ですか?

まずご自身の安全を確保した上で、スマートフォンなどで被害状況の写真を撮り、すぐに市区町村役場で罹災証明書の申請手続きを行ってください。

この罹災証明書が、被災者生活再建支援金の申請、保険金の請求、税金の減免、金融機関へのローン返済相談など、あらゆる公的支援を受けるための基礎となる最も重要な書類になります。

「全壊」と「大規模半壊」では、受けられる公的支援にどのような差がありますか?

罹災証明書に記載される被害の程度によって、受けられる公的支援の金額が大きく異なります。

例えば、被災者生活再建支援法に基づく支援金は、基礎部分で全壊世帯が100万円、大規模半壊世帯は50万円です。

その後の住宅再建方法によって受け取れる加算支援金の上限も変わるため、正確な被害認定を受けることが重要となります。

公的支援や保険金だけでは、家の再建費用が足りない場合はどうすればよいですか?

公的支援や保険金で費用を賄いきれない場合、独立行政法人住宅金融支援機構が提供する「災害復興住宅融資」の利用を検討できます。

これは、被災者が住宅を再建したり購入したりするために、国が低金利で資金を融資する制度です。

お住まいの自治体によっては、独自の融資制度や利子補給制度を設けている場合もあるため、役所の窓口で相談してみましょう。

まとめ

自然災害 で大切なお住まいを失っても、住宅ローン の返済義務は原則として免除されないという厳しい現実があります。

しかし、公的支援や保険制度、金融機関との交渉など、あなたの生活再建を支えるための具体的な対処法はいくつも存在します。

一人で抱え込まず、まずはこの記事で解説した5つのステップを参考に、一つずつ着実に行動を始めることが生活再建への第一歩です。

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