地方移転におけるIターンとは、都会で生まれ育った人が、出身地とは無縁の地方へ移住して就職・起業することを指します。
英語の「I」の字のように、直線的に別の場所へ移動するイメージからその名がつきました。ここではIターンの概要と、近年の行政(国・自治体)による主な対応について解説します。
1. Iターンとは(他の移転形態との違い)
Iターンは、単なる「引っ越し」ではなく、ライフスタイルやキャリアの大きな転換として捉えられることが多いのが特徴です。
| 種類 | 概要 | イメージ |
| Iターン | 都会育ちの人が、縁のない地方へ移住 | 都市 → 地方 |
| Uターン | 地方出身者が都会へ出て、再び故郷に戻る | 地方 → 都市 → 地方 |
| Jターン | 地方出身者が都会へ出て、故郷に近い地方都市に移住 | 地方 → 都市 → 地方都市 |
2. 行政の主な対応・支援策
人口減少や東京一極集中の是正を目的に、政府(内閣官房・総務省)や各自治体は非常に手厚い支援策を講じています。
① 移住支援金(金銭的サポート)
東京23区に在住・通勤している人が地方へ移住し、対象企業に就職したり起業したりする場合、最大で100万円(世帯の場合。単身は60万円)、さらに子育て世帯には子ども1人につき最大100万円が加算される制度があります。
② 住まいの支援
- 空き家バンク: 自治体が管理する空き家情報の提供。
- 改修費補助: 古民家などのリノベーション費用に対する助成(数十万〜数百万円規模)。
- お試し住宅: 数日間から数ヶ月、安価に滞在して現地の生活を体験できる施設。
③ 就業・起業支援
- 起業支援金: 地方で社会課題解決型の事業を立ち上げる際、最大200万円程度を補助。
- 農業・林業支援: 新規就農者への研修費や生活費の補助。
- テレワーク推進: サテライトオフィスの整備や、リモートワークを維持したまま移住する人への補助。
④ マッチング・相談窓口
- ふるさと回帰支援センター: 東京などの都市部で、各自治体の担当者に直接相談できる窓口。
- 地域おこし協力隊: 一定期間(1〜3年)、自治体の委嘱を受けて地域活動に従事し、報奨金を得ながら定住を目指す制度。
3. Iターンを検討する際のポイント
行政の支援は非常に魅力的ですが、以下の点に留意が必要です。
- 「仕事」と「暮らし」の両立: 支援金は「継続して居住すること」が条件となっていることが多く、安易な退職や再引越しは返還義務が生じる場合があります。
- 地域のコミュニティ: Iターンは「縁のない土地」へ行くため、地元の文化や人間関係に馴染もうとする姿勢が、Uターン以上に重要になります。


























































