【完全ガイド】家なき子特例とは?厳しい要件と賢い活用法を徹底解説/池尻大橋相続

「親が亡くなったとき、実家を相続したいけれど、自分は持ち家があるわけではなく賃貸暮らし。それでも相続税は高くなるのだろうか…」

このような状況で、相続税の負担を劇的に軽減できる可能性を秘めているのが
「家なき子特例」です。
これは「小規模宅地等の特例」の中でも、特に適用要件が厳しいことで知られる制度ですが、うまく活用できれば土地の評価額を80%も減額できます。

ここでは、この「家なき子特例」の非常に厳格な要件を一つひとつ分かりやすく解説し、どのような場合に活用できるのか、具体的なケースを交えてご紹介します。

正式名称ではなく、税理士業界で使われている通称です。
その内容は
「亡くなった方(被相続人)に配偶者も同居の親族もいない場合に、一定の要件を満たす”持ち家のない”親族が実家を相続した際に、小規模宅地等の特例の適用を認める」というものです。

本来、小規模宅地等の特例は、亡くなった方と同居していた家族の生活基盤を守るための制度です。
しかし、様々な事情で親と別居している子供も少なくありません。
そうした「家なき子」が、相続によって住む場所を失うことがないように設けられた、いわば救済措置的な制度といえます。

家なき子特例の適用を受けるためには、以下の5つの要件をすべてクリアする必要があります。一つでも欠けると適用は認められません。

【要件1】亡くなった方に「配偶者」も「同居の相続人」もいないこと
配偶者がいない: 亡くなった時点で、法律上の配偶者がいない状態(すでに亡くなっている、離婚している、未婚など)である必要があります。
同居の相続人がいない: 亡くなった方が、誰とも同居していない(一人暮らしだった)か、同居していたのが相続人(法定相続人)ではない親族(例:子の配偶者、孫など)である必要があります。
【ポイント】
この時点で、いわゆる「二次相続」(例:父が亡くなり、その後母も亡くなった)で、親が一人暮らしだったケースが主な対象となります。 

要件2】相続開始前3年以内に「自分や特定の親族の持ち家」に住んでいないこと
これが最も複雑で厳しい要件です。相続する本人が、相続が始まる前の3年間に、以下のいずれかの家屋に住んでいたことがある場合は、特例を適用できません。
 * 自分の持ち家
 * 自分の配偶者の持ち家
 * 3親等内の親族の持ち家(例:親、祖父母、兄弟姉妹、おじ・おば、甥・姪など)
 * 特別な関係がある法人の持ち家(例:自分が経営する会社や、親族が経営する会社が所有する社宅や賃貸物件など)
【ポイント】
つまり、過去3年間、完全に他人名義の賃貸マンションやアパートに家賃を払って住んでいる必要がある、ということです。親名義の実家に無償で住んでいたり、兄弟の持ち家に住んでいたりすると対象外となります。 

【要件3】相続開始時に住んでいる家を、過去に所有したことがないこと
これは、節税目的で一時的に持ち家を売却し、賃貸に移り住んで「家なき子」の状態を作り出す、といった租税回避行為を防ぐための要件です。
【具体例】
5年前に自宅マンションを売却し、その後ずっと同じ賃貸アパートに住んでいる場合でも、もし売却したマンションが「相続開始時に住んでいる家」と同じであれば、この要件に引っかかり、特例は使えません。(※通常は売却すれば別の家に住むため、この要件に該当するケースは稀です) 

【要件4】相続した土地を、相続税の申告期限まで所有し続けること
相続した実家の土地を、相続税の申告期限(相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内)が来る前に売却してしまうと、特例は適用できません。期限後であれば売却しても問題ありません。

【要件5】相続する人が、亡くなった方の親族であること
当然ですが、相続人となる親族であることが大前提です。

これらの厳しい要件を踏まえると、家なき子特例を「積極的に活用する」というよりは、「適用できるケースに当てはまるかを確認し、要件を満たすように準備する」という視点が重要になります。

活用できる可能性のあるケース
・親が一人暮らしで、子は長年独立して賃貸暮らしをしている。
 これが最も典型的なパターンです。子が要件2(3年ルール)と要件3をクリアしていれば、適用できる可能性が高いでしょう。

・ 持ち家はあるが、人に貸して自分は賃貸に3年以上住んでいる。
  自分の持ち家があっても、そこに住んでいなければ問題ありません。その家を他人に賃貸し、自分自身は別の賃貸物件に3年以上住んでいれば、要件2をクリアできます。

家なき子特例の適用を目指すのであれば、以下の点が重要になります。

 * 持ち家があるなら、早めに売却して賃貸に移る
   将来、親の実家を相続する可能性がある場合、現在持ち家があるのであれば、早めに売却し、完全に他人名義の賃貸物件に移り住むことを検討します。そこから3年以上経過すれば、要件2をクリアできます。

 * 親族名義の家には住まない
   親切心から「家賃がもったいないから」と親や兄弟の家に住むと、その時点で家なき子特例の道は閉ざされてしまいます。特例の適用を考えるなら、必ず第三者が所有する賃貸物件を選びましょう。

 * 賃貸借契約書などの書類を保管しておく
   実際に特例を適用して申告する際には、「3年以上賃貸に住んでいたこと」を証明する必要があります。賃貸借契約書などの書類は必ず保管しておきましょう。

家なき子特例は、別居している子供にとって大きな節税効果をもたらす可能性がある一方、その適用要件は極めて複雑かつ厳格です。特に平成30年度の税制改正で要件が厳しくなって以降、自己判断で「使えるはず」と思い込むのは非常に危険です。

「もしかしたら自分も使えるかもしれない」と感じたら、まずは相続に強い税理士に相談し、ご自身の状況がすべての要件を満たしているか、一つひとつ丁寧に確認してもらうことが、この特例を正しく活用するための最も確実な方法です。

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